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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

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2011年2月12日 (土)
北海道と東京をつなぐデザイン

日時:2011年2月12日(土) 15:30〜17:30
教室:北海道・札幌 パルコ新館5階特設会場
定員:15名(先着順)
授業料:無料
先生:平塚智恵美(プロデューサー)
   後藤哲憲(旭川市工芸センター)
   伊藤千織 (プロダクトデザイナー)
授業コーディネーター:萩原 修 三星安澄

【授業レポート】

「こんなに深い話しを初めてあった人と出来たことはありませんでした。この場をつくってくれた先生たちとここに居合わせた皆さんとの出会いを大切にしたいです」


東京にしがわ大学初の出張授業、「北海道と東京をつなぐデザイン」。
授業はオオドオリ大学の授業の後の、がらんどうの会場で始まりました。


集まった人は約30名。
デザイン、もの作り系の人多い印象でしたが、中には役所の方もいらっしゃいました。
そしてなんと東京から来たという剛の者も。

ひと通り自己紹介が終わり、まずはしゅうさんの「札幌と旭川の関係は東京とにしがわの関係に似ている」というお話から授業が始まりました。

札幌と旭川、東京とにしがわ。そして北海道と東京。
似ているもの、つなぐもの、その先にぼんやりみえているもの。
なんとなくそんなことを、いつものようにやんわりとお話されていました。


最初はプロデューサーの平塚さんのお話から。
中村好文さんや葛西薫さんといったトップデザイナーの展覧会のプロデュースから旭川のクラフトを札幌に紹介する話しまで。
東京や外の世界を見つつ、札幌を盛り上げるこれまでの活動を紹介されていました。

今回は先生の話しを聞いて、その話について3人一組になって話しあうことが授業のコースになっています。

平塚さんの話しを聞いて、初めて隣り合わせた人と話す学生のみなさん。
ぎこちないながらも、それぞれに感じたことを重ねあっていました。
同じ話しをたくさんの視点で共有していくその面白さを、すこしずつ感じていたように思います。


そして次はデザイナーの伊藤さんのお話。
授業前、「サンデルの授業のように学生と対話しながらすすめたい」と語っていた伊藤さん。
自分の作品の紹介をしつつ、生徒に問いかけるような、ショーのようなお話をされていました。
特にog(オー)という東京のデザイナーと一緒にしているプロジェクトを遠距離恋愛に喩えたお話には、会場は大きく湧きました。

札幌と東京をつなぐデザイン活動をまさにしていた伊藤さん。
その難しさや想いを赤裸々に語ってくれました。


二回目の3人対話は伊藤さんがはっちゃけてくれたこともあってか、白熱した議論がくりかわされていました。
札幌の人が東京に対する想いというのはなかなか複雑なようです。
優れた素材があっても、それを東京のようなレベルに持っていくことができないもどかしさのようなものがあるみたいです。


最後は旭川工芸センターの後藤さん。
旭川に東京のデザイナーをよんで、旭川のメーカー、職人を紹介する「旭川木工キャンプ(AMCC)」のプロジェクトのお話をされました。
「つくる人、考える人、うる人、伝える人、つかう人を集めたのが旭川木工キャンプ」
「打ち上げ花火的にイベントの時だけ盛り上がるんじゃなくて、その後に職人とデザイナーが勝手にやりとりしているのがAMCCの特徴」
僕も昨年、AMCCには参加しましたが、後藤さんのこれでもかと職人と街を紹介しようとするスケジュールには驚きました(その前はもっとすごかったらしい)。
旭川が好きで、旭川をどうにかしたくて、その想いがAMCCを通じて少しずつ実っている。
まだ始まったばかりのプロジェクトですが、今後がとても楽しみなお話しでした。

東京の展覧会や人を札幌に紹介している平塚さん、札幌のデザイナーとして東京のデザイナーとともに活動することを語った伊藤さん、そしてメーカーと東京のデザイナーをつなぐ役割をしている後藤さん。

三者三様にそれぞれが媒介になりながら、北海道と札幌をつなぐことの意義を考えさせてくれた時間でした。

最後に、生徒のみなさんから今日の感想を聞きました。
東京への想いや、札幌のデザインの意識、魅力と伝え方など、いろいろな観点から話しが出ました。
「北海道というブランドに道民が気づいていない」
「つながるには媒介となるような人が必要。双方の文化の通訳となれる人を大切にしたい」
「みなさんと話しあうことで、自分のなかでもやもやとしていたものが言葉になった。」
「北海道にある、まだみえていない魅力をデザインで伝えたい。そうすれば東京からも人が集まる」
互いの考えを話しあうことで、今まで明言化できなかった思いが伝わってきました。


そして最後にお話されたのが冒頭での言葉です。


僕は、にしがわ大学のスタッフではなく、一生徒として関わっています。

そんな僕から見ると、にしがわ大学の職員の人たちを「どうしてそんな大変なことをわざわざやってるんだろう」と いつも不思議に思っていました。


学長はそんなときにこういう話しをしてくれます。
自分が育った環境があって、そこで培った関係性をもっともっと広めたい。
人とのつながりがあれば、人はどんな状況でも生きていける。
その機会ときっかけを、にしがわ大学でつくっていきたい、と。

にしがわ大学に対する職員の人たちの想いはさまざまだと思います。
いろいろな人がにしがわ大学に関わることで自己実現へと向かっているんだと思います。
でも僕にはこの学長の言葉が、なんだか不思議と、ひかれる話しでした。


そして、冒頭の言葉。


授業を通じて、同じ興味のある人と自分の想いを通い合わせる楽しさ。
そこから生まれるたくさんのつながりが、日々をもっと豊かにするし、時には自分や隣人を助けることもあるかもしれない。
それはきっかけさえあれば、誰にでも開かれている世界だし、そのきっかけも案外簡単なことなのかもしれません。

そんなことを、この授業を手伝い、参加するなかで感じました。


北海道と東京をつなぐデザイン。
近いようで遠く、似ているようでなかなつながりにくい関係。
それは同じ方向を向いているのに、なかなかつながれない人たちとの関係にも似ているのかもしれないと思いました。



にしがわ大学初の出張授業は、なんだかにしがわ大学の活動意義をそのままをあらわしたような一日でした。


レポート|三星安澄



●テーマ:
地域と地域をどうやってつなげていくの?

 
●対象者:
北海道と東京の関係について興味のある人

 
●授業について:
東京にしがわ大学ではじめてとなるにしがわ地域以外での出張授業。
姉妹校の札幌オオドオリ大学(http://odori.univnet.jp/)
の1周年にあわせて、札幌市での授業を企画しました。

テーマは、「地域と地域をどうやってつなげていくのか」
具体的には、北海道と東京がどうつながったら面白いのかについて、
具体的な事例も交えて、現実的かつ夢想的な方法を参加者全員で考えます。

先生は、北海道と東京のつながりを意識しながら活動をしている3人。
札幌市を中心に、東京とのつながりを活かしながら、
エコやデザインを切り口に、イベントや編集をてがけるプロデュサーの平塚智恵美さん。
旭川市の工芸センターに勤務しながら、旭川のクラフト、家具を中心に、
旭川と、東京のデザイナーやマーケットをつなげる仕事をしている後藤哲憲さん。
そして、札幌在住で、家具や小物のデザインをしながら、
東京や他地域のデザイナー、メーカー、ショップとのつながりをもつ伊藤千織さん。

3人に、それぞれにやっていることを紹介していただき、
その後、参加者とともに、産業、観光、地理、歴史、文化、生活など様々な角度から
北海道と東京の新しい関係をさぐっていきます。

もしかしたら、ここから北海道と東京の新しいプロジェクトがはじまるかも。
そして、今度は、東京にしがわ地域で、札幌オオドオリ大学の授業がおこなわれるかも。

この機会に、東京から札幌に行ってみたい人も。
東京にしがわじゃなくて北海道在住だけど、面白そうだから参加してみたい人も。
あるいは、東京にも北海道にも縁がないけど、この際、縁をつくろうという人も。

前向きでおおらかな気持ちでの参加をおまちしています。

 
●授業の流れ(予定)
15:00 受付開始
15:00 はじめに 学長 酒村なを からのメッセージ
15:00 自己紹介
15:00 平塚智恵美さんの話+ディスカッション
16:20 後藤哲憲さんの話+ディスカッション
16:50 伊藤千織さんの話+ディスカッション
17:20 まとめ 記念撮影
17:30 終了


●注意事項
筆記具、ノートなど必要に応じてご自身でご用意ください。
札幌の会場までの交通費や宿泊費などは、各自ご負担ください。

●重複応募は無効となりますのでご注意ください。
また、授業の参加エントリーには、学生登録が必須となります。

 
●定員・締切
15名(先着順)

 
●問合せ先
090-6535-6298(ハギワラシュウ携帯)
※お電話でのお申し込みはできません。


※当日は、12:00〜15:00まで、同じ会場で札幌オオドオリ大学の1周年オープンキャンパスがあります。
http://odori.univnet.jp/subjects/detail/45

授業終了後は、
18:00〜19:00 旭川クラフト展トーク「旭川発デザインが地域をつなぐ」
出演 後藤哲憲、丹野雅景、萩原 修
※事前の申込不要です。
大通BISSE2階YUIQ(ユイク)

18:00〜21:00 ドリ大1周年パーティー
ジャスマックプラザ ザナドゥ

※事前の申込が必要です。
http://odori.univnet.jp/subjects/detail/44

あわせて、ご参加いただけるといいかもしれません。


先生プロフィール:
平塚 智恵美(ひらつかちえみ)

札幌市出身。大学卒業後、広告代理店に勤務。その後、プランナー、テキスタイル作家、20万部発行のフリーペーパー編集者を経て、2005年「(有)叶多プランニング」を設立。「SAPPOROエコデザインプロジェクト」実行委員会委員長。「kanata art shop」代表。「地域活性化・北海道発〜こんなもの欲しかったプロジェクト」代表。「北海道芸術文化コミッティ」代表。趣味は「楽しんで生きること」。座右の銘は「踏み出せば、そこは明日」。
http://www.kanata-planning.com/

先生プロフィール:
後藤哲憲(ごとうてつのり)

1970年旭川生まれ。1994年旭川市工芸センターに配属。木工企業の商品開発や販売促進の支援・相談などの仕事。2009年木工に関わる人が集う、「旭川木工コミュニティキャンプ」を地元の若手と東京のメンバーでスタート。その実行委員の一人。旭川の工房や工場、そこで作られている『もの』、その『もの』が生み出される旭川を使い手にもっと伝えたい。『もり』と『まち』と『もの』をつなぐため試行錯誤しつつ奮闘中。
http://www.mokkocamp.org/

先生プロフィール:
伊藤千織(いとうちおり)
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伊藤千織デザイン事務所、プロダクトデザイナー

札幌生まれ。女子美術大学産業デザイン科卒。デンマークで家具デザインを学んだ後、北海道からデザインを発信したくて1999年札幌に事務所設立。家具やインテリアプロダクトのデザイン・道内企業との商品開発などを中心に、イラスト・原稿執筆・ワークショップほか、よろずデザインに関わる活動行なっている。2007年より地元紙にコラム「北の小物たち」を連載、60以上の道産プロダクトを紹介した。
http://chioriito.com

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