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さんぽ市、思いを伝える場

何かを伝えるってとてもエネルギーのいることです。思いを共有できた時には、何にも代えがたい幸せに満ちます。「思いを伝えたい!」と立ち上がった田無なおきちに関わる人たちの小さいけれど大きな勇気の行動が作った手作り市の物語です。

西武線のてづくり市


さんぽ市の、のぼり。過去にはひばりヶ丘PARCO、また毎年5月の田無神社での開催についで2014年10月は古民家を会場に行われました。

にしがわには物作りに関わるたくさんの方が活動し、特に中央線沿線では手作り市やワークショップなどのイベントが多く見られます。

残暑の厳しさが残る9月のある日、ひばりヶ丘PARCOを訪れた時、一枚の「やおよろずのさんぽ市」のポスターが目に留まりました。西武線沿線ではとても珍しいな、と思い、足を伸ばしてみました。

会場である田無神社には、柔らかな光とこじんまりとしている中にもあたたかさと優しさの感じられるイベントの空気が流れていて、すっかりのんびりしてしまいました。そんなやわらかな空気に魅了され、宝物を見つけたドキドキ感を抱えながら帰宅をしたことを覚えています。

さんぽ市の誕生


「やおよろずのさんぽ市」のはじまりは、田無なおきち。ここは、たくさんの作家さんの作品スペースがあり、展示販売されているカフェで、店内で教室やライブ、ワークショップなど毎日のようにイベントがあり、たくさんの人が関わり集う場所でもあります。

あるとき、店内ライブでお世話になっている、インディーズミュージシャンの野外ライブをやりたいと企画が出て、その話に作家さんも刺激を受けて、自分たちも何かやってみたいと声があがりました。それらの声と店長の佐藤うららさんの「地域を盛り上げたい」という想いがひとつになり、2012年に初めてお店を飛び出て、やおよろずのさんぽ市およびインドラフェス(音楽ライブ)が開催されました。

神社の境内およびその後の田無の町中の飲食店を巻き込んだライブ。それはそれは大変盛り上がり、なんと地域の警察が人員整理に奔走するほどまでに。大成功で幕を閉じたライブに、なおきちで活動する作家さんたちも更に刺激を受けました。「私たちももっと伝えたい!もっと知ってほしい!」

それと同時に、なおきちの店主であるうららさんも思いを温めていました。「なおきちに集まる作家さんやなおきちの空気感を、お店を飛び出した、外の世界のたくさんの人にも感じてほしい。」と。

さんぽ市の新たなる挑戦


くいしんぼのさんぽ市の会場。小さい子からお年寄りまで、皆がのんびりとした空気と時間を楽しんでいます。

こうして2012年に始まった「やおよろずのさんぽ市」は、回を重ねる事に少しづつ少しづつ進化を遂げていきました。最初は田無神社でスタートしたのですが、その後はひばりヶ丘PARCOでも開催、また西東京市の後援を受けるまでに成長したのです。

そして昨秋、新たなる挑戦をしました。その名は「くいしんぼのさんぽ市」。そこにはどういう思いがあったのでしょうか。やおよろずのさんぽ市実行委員であるうららさん、若尾さん、渡辺さんにお話を聞いてみました。すると、このように話してくれました。


作家さん同士のコミュニケーションも活発です。

「一つのことにとどまらない、新たな切り口を探していたんです。そんな気持ちが芽生える中、新メニューをそろそろ開発したい、というなおきちの意向もあり、食に注目した何かをやりたいと思いました。そもそもなおきちはカフェであるし、地元の農家さんと持っているつながりをもっと生かしたいと思ったのです。」

なるほど、常に進化をすることをどこかで必ず思っているのですね!実行委員のみなさんはそんな思いを胸に秘めながら、秋のここちよい日和の中、「くいしんぼのさんぽ市」を開催しました。

テーマは「食べ物のワークショップ」、「体感する」。当日は地元農家さんの野菜や、パン屋さんやお菓子屋さんの作る手作りの商品を販売するだけではなく、塩レモンやうどんを作るワークショップも開催していました。会場には老若男女であふれており、何だか幸せな空気に満ちています。

塩レモンつくりのワークショップ。老若男女沢山の人が集まっています。
特にワークショップは家族連れだけではなく、年配のご夫婦の姿もあり、幅広い世代の姿がありました。「食は人をつなぎ、笑顔にするって言うのは、こういう事か、ふむふむ」と、妙に納得してしまった私。

こうしてワークショップは盛況のうちに終了し、商品はお昼前にはあっという間に完売、という盛況ぶりでした。


さんぽ市の魅力


さんぽ市のよいところ、それはやれる範囲でやれることをする。

「とてもいい雰囲気で、素敵なイベントなのだから、もっと回数を増やしたり、より一層勢力をつけたりという計画や目標はないのですか。」そうたずねると、「毎月開催してほしい、という声もありますが、私たちはあくまで年に数回でいいのではないかと思っている。その為にエネルギーをためるのよ。」と笑って答えてくれました。

エネルギーがたまった時、発揮するから年に数回。そう、それはまるでオリンピックや発表会のよう。成果の発揮する舞台。エネルギーを蓄える期間があるから、伝えたい真の空気感も伝わると思っている、そうです。

地域を盛り上げようと、一歩一歩自分たちのペースで進めている小さな取り組み。その内に秘められたエネルギーはとても熱く、力強くとてもダイナミック。次のさんぽ市の時にはふらりと西武線に乗って足を延ばし、エネルギーを感じにいきませんか。

2015年03月28日|西東京市

記者プロフィール

永見 薫
埼玉県新座市在住。にわ大で西武線活動が発展することを心から願う一人。国立文庫プロジェクトや国立本店等、地域活動に関わりながら街を探検すること、知ることを楽しんでいる。

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