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いっしょにあそぶポン♪

今や全国各地にそれぞれ住み着く、ご当地キャラたち。その中でも八王子に住む「たき坊」と親しみながら、彼らの生き様に思いを馳せてみました。

「たき坊」と出会う


期間限定ですが、たき坊は升階茶寮で抹茶ラテになったりもします。

「こんにちポン(。ΘωΘ。)/」

それは、八王子の茶専門カフェ、升階茶寮に入ろうと、入口の扉を開けたときのこと。玄関の床をふと見下ろすと、こちらを見上げる垂れ目の丸っこいたぬきが絨毯に描かれています。そう、彼こそが八王子市の滝山城址に住むご当地キャラ、たぬきの「たき坊」。このお店のインテリアの中でもひときわ異彩を放つのが、数え切れないほどのたき坊グッズなのです。私は升階茶寮でたき坊の優しい視線を感じているうちに、なんだかいつの間にか彼のことが気になってきてしまいました。そこで、たき坊...は恥ずかしがり屋なので......彼の生みの親であり師匠でもある、「おしょさん」こと大石隆元さんにお話を聞いてみました。

「たき坊」と話す


大石さんは滝山にある少林寺の副住職さん。2011年、東日本大震災直後の計画停電に駅前デパートの閉店が重なった八王子の街を、どうにかして街を元気にしたいと思い立ったことがすべての始まりでした。

最初は、高尾山のケーブルカー駅前広場で戦隊物のイベントの協力を行いました。集まった子どもたちが笑顔を見せてくれます。それを経て、僧侶の自分だからこその、地域の人々を見守り、かつ愛される、柔らかいキャラクターを作り出したいという気持ちが芽生えていったそうです。八王子らしい田舎感を大事にしたいと考えて、イメージしていったのがたぬき。言葉に込められる魂を大切にしたいと思い、「きぼう」と「たきやま」を連想させる「たき坊」という立派な名を付けました。最初は大石さんが個人的に始めたことでしたが、升階茶寮の店主の山本さん、当時の升階茶寮の常連客であった大学生など、少しずつ「たき坊スタッフ」が増えていきました。同年に、八王子駅前で行われたハロウィンイベントでデビューを果たして大人気を集めたことで、市の観光課からも声がかかり、八王子市公認のキャラとしての今に繋がっています。

たき坊はイベント参加時以外も、人々と親しむために街中に繰り出したりもしています。あるときは、食堂に、またあるときは、高尾山のケーブルカーにも。中でも、生みの親である大石さんにとって思い出深いこととして、2011年のクリスマスにたき坊と一緒に震災の被災地へ出向いたことを挙げてくれました。たき坊が子どもたちを笑顔にできたこと、そして、たき坊のしっぽをありがたそうに撫でてくれるおばあちゃんのことが忘れられないそうです。このエピソードが、「たき坊のしっぽを触るとご利益がある」という言い伝えに繋がっているそうです。あ、そう言えば、私はまだたき坊に触れたことがないぞ。

「たき坊」と触れ合う


たき坊とみっけ。仲よしだから、別々に写真を撮るとなんだか変な感じがして、一緒に写しちゃいました。

そんなわけで、たき坊に会いに行ってきました。

舞台は、2014年11月に八王子駅北口の西放射線ユーロードで開催された、八王子サブカルチャーの祭典「8はちアソビ」。早速、イベントステージの横にぽってりと居座るたき坊と遭遇します。横にいるのは、たき坊の友達で、大阪府枚方市樟葉宮表参道商店会のご当地キャラ「みっけ」。二匹とも子どもたちに大人気です。私もたき坊の写真を撮ってから、彼のしっぽに触らせてもらいました。これで願いが叶うはず。うしし。

ステージ出演の時間では、二匹そろって踊りを披露してくれました。流行りのようかい体操から、恋するフォーチューンクッキー、さらにはご当地キャラが集まったバンド・GCB47(ご当地キャラクター・バンド・よんじゅうなな)の曲まで。みっけはキャラクター界で唯一のバレエ経験者だけあって、とてもダイナミックな踊りを見せてくれます。一方のたき坊は、体型の都合上でしょうか、踊りはとてもおとなしい。思わずクスッとしてしまいます。性格が違うからこそ、仲がよいという夫婦や友達同士っていますよね。キャラクター界のこの二匹は、まさにその典型的な例だなぁ。

「たき坊」と考える


たき坊のあり方やキャラクターについて話し合う、大石さんをはじめとするたき坊スタッフ。

かつての私は、ご当地キャラに興味がありませんでした。でも、升階茶寮に行くたびにたき坊と目を合わせたり、ご当地キャラの集合写真であるGCB47のポスターに圧倒されているうちに、一匹ずつのキャラクターの愛らしさとユニークなストーリーに、興味津々になってしまいました。

ご当地キャラと聞いてよく連想されるのは、2010年から毎年行われている「ゆるキャラグランプリ®」ではないでしょうか。でも、全国のご当地キャラたちはグランプリになることだけを目指して生きているわけではありません。たき坊とみっけのように、キャラクター同士の友情を深めながら、街や人の新たな交流を創り出すのです。大石さんも、「たき坊を含めご当地キャラは、経済効果をもたらすためだけではなく、人と人との触媒でいるために存在するのではないか」と語っていました。彼らには、たまに「グランプリ」という晴れ舞台がありながら、普段は街中で一緒にあそぶ仲間でいてほしいなと思います。高いステージの上で輝くだけではなく、子どもたちと同じ目線の高さで親しみを込めて触れ合えるのが、「ゆるい」ことの一番の魅力であるはず。

今度は、あなたの街の近くのご当地キャラと一緒にあそんでみませんか?

※たき坊はイベント出演を2015年秋頃までお休みしています。ひょっこり帰ってくるまで、皆さんの地元のキャラクターと一緒に気長に待ってあげてください。

2015年06月06日|八王子市

記者プロフィール

保坂 三仁
「くにニャン」が好き。お香、特にお線香がブームで、家の中はお寺の匂いがする。

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